2011年11月28日月曜日

CD応用演習2011#09 コンテンツ制作

こんにちは,たろぐです.

今回は前回に引き続きコンテンツ制作です.徐々に具体的になっていく成果物に,各個人がそれぞれ担う部分や目的意識もはっきりしてきているのではないでしょうか?もちろん一生懸命に制作を進めることが大事ですが,それと同じように,自分たちが作ろうとしている物,学びの流れ,伝えたいことが正しく設計されているのか,よりよい方法かを常に考えることもやめないで欲しいと思います.作っているものがより具体的になれば,疑問点やいいところもよりはっきりしてくるでしょう.僕ら教員側もより明確に指摘できるようになるので,疑問点を抱えたままなんとなくで進めてしまわずに,教員側に流れ全体を確認してもらうことも積極的に検討してみてくださいね.

今回はこれくらいで…
写真も貼り付けられなかったし…(アルバムには上げてあるんですが)

2011年11月21日月曜日

CD応用演習2011#08 コンテンツ制作

こんばんは,たろぐです.

今回から本制作に入りました.前回までのディスカッション,プロトタイピング,アクティングアウトとそれらのフィードバックを経て,今自分たちが作ろうとしているもののいい所と問題点が徐々に明らかになってきたのではないでしょうか.場合によっては企画全体を再整理して,より適切な企画を新規に検討するといったグループもあるかと思います.そういった判断に至った過程でそれまでのものが無駄になるということはなく,むしろより良いものを作り出すために必要なプロセスだと考えてもらえればと思います.




あえて包み隠さず書くと,今回の本制作からまともに動き出したように感じる学生もちらほらと見受けられました.ディスカッションよりも作業がお好きなのかもしれません.もちろん作業の中で自分とグループとの関わり方を模索したり実感したりすることはとても大事なことです.そういった意味では,目が覚めたように見えるそれらの学生にとってはようやく参加できるようになったというべきことで,喜ばしいことなのですが…ただ,個人的にはこの授業の本質は,作業そのものの中よりも過程全体の中にこそあると考えているので,より積極的な参加への取っ掛かりとしての作業は歓迎しつつも,それをきっかけに作っているものが自分たちの目的を達成するのに有効なものなのか,自分たちの目的は適切なのか,などといった原点を確認する姿勢やグループワークを如何に進めていくのかといった実践的な力を磨いてもらいたいと思います.




今後の気になるポイントをいっこ紹介しておきます.プロトタイピングやアクティングアウトまでの段階では,基本的にはモデル部分に目が行きがちになります(これ自体は悪いことではないです).おそらくモデル制作自体は順調なところではおおよそのイメージが固まっているのではないでしょうか.そうなるとあとは切って組んでといった作業がメインになるような工程を想像しているかと思います.もちろん強度や安全性などのチェックすべき点はこれから出てきますが,まぁおおよそその通りと考えてもいいかと思います.一方で,インタラクション部分,例えばモデルに組み込まれる仕掛けやGainerで実装するようなセンサー系の仕組み,あとはPC側で出力するFlashのActionScriptによる処理といったものは,まだ具体的な試行錯誤に入ってないものが多いのではないでしょうか.ここについても思ったように簡単にいかないことが多々あるので,このタイミングにグループ内でチームを分けてそれぞれがどう進めていくかを分担するのをお勧めします.もちろん全体での議論やそれぞれの進捗を確認・管理するリーダー的立ち回りをする人がいることも大事ですし,個々人が全体のことや最終成果物に対する認識を持って考えたり作ったりすることは必須です.それと同時に自分の得意分野や関心のある側に取り掛かり,実践的なスキルを磨いて欲しいと思います.教員側はあれもこれもと欲張りなのです.




では,次回(12時間後ですね…)も引き続き本制作です.最終発表までも1ヶ月切りましたが,その前に最終成果物によるユーザビリティ評価がすごく迫ってきています.みなさんの先輩たちは追い詰めると(折れない限りは)すごく成長して,僕ら教員側はその成長の様にいつも感動を覚えています.今年もみなさんの先輩たちに負けない成長を楽しみにしています.


2011年11月14日月曜日

CD応用演習2011#07 中間プレゼン


こんばんは,たろぐです.

今回は中間プレゼンテーションを行いました.基本的には前回のアクティングアウトと同様に実際のユーザを想定したデモンストレーションをしたのですが,前回のアクティングアウトを踏まえて,より本番をイメージしたものを用意してもらいました.また,ポスターを作成することで自分たちの作っているものの目的をより明確にし,それが手元にあるプロダクト(プロトタイプ)とちゃんとリンクしているのかを確認することもできたのではないでしょうか.さらに,小学校からも先生方がいらっしゃって現時点での皆さんのイメージしているもの,目標としている到達点を見ていただくことで,現場の先生方として気になる点についてのアドバイスもいただけました.



さて,今回はちょっと強めにアドバイスをしました.特に,前回までの授業での各議論やアドバイスを踏まえた上でクリアしておいて欲しい・クリアされてなくてはならない所がクリアできてないと判断したものについては,はっきりとお伝えしたかと思います.僕から「ここ意味が分からない」とか「ここ無意味だよね」とか「これ要らない」とか「なんでここはこうなってんの?」といった疑問を投げられた所はよく検討して欲しいと思います.少なくとも僕はそこについてそのままでは受け入れられない問題点を感じていますし,それについてはその場で何が受け入れられないのかをお伝えしています.



以下,いくつかのグループで気になった点を挙げていきます(なんかインデントが微妙になっちゃいましたが…).授業時には上記のほどはっきりと云わなかったのですが,これを読んでいて自分のグループに該当すると思った人は是非参考にしてみてください.

  • テーマがはっきりしないまま始まって進んでいく
テーマが設定されていないわけではないのですが,それが明示されていなかったり曖昧なまま何かが始まってしまっていると感じたものがありました.ユーザはとりあえず目の前の話に付いていくしかなく,結果として今何を学ぼうとしていたのかが分かるのが後手に回ってしまうという状況は改善すべき流れだと思います.小学校の先生のアドバイスの中にもテーマをはっきりするといいと思いますといったお話があったかと思いますが,それはテーマが分からない/分かりにくいのがあるというのをとても気を使ってご指摘していただいていると理解すべきでしょう.僕はいくつかの所でアドバイスしましたが,ユーザがそのプロダクトに取り組む時,最初の方でなにか「?」があるのだという状態をユーザに自覚させるような流れを作るべきだと思います.そのテーマについての疑問点がある状態を作り,それを目の前のプロダクトによって解決するという目的意識を明確にすることで,ユーザとプロダクトの関係や学習の流れをきちんと組めるのではないでしょうか.



  • PCが説明するのか人が説明するのかが曖昧なものがある
皆さんが小学生の子たちに手厚いコンテンツを提供してあげようという意識の表れなのだと思いますが,中間プレゼンのを見るにPCモニタに見立てた紙モニタにはキャラクタやイラストがあるだけで,言葉での説明が学生の口から全て出力されているのがいくつかありました.また,その紙モニタを学生が指さしていたりもしたので,そこは学生が口頭で説明する箇所なのかなと思っていたら,PC側で話が展開するつもりだという注釈をもらったこともありました.といった具合に,そこの切り分けが曖昧な状態のグループが結構あるかと思います.また,学生が口頭で説明するにしてもPC側で説明するにしても,音声だけでは聞き逃しをカバーできないので,文字情報を入れる必要があると思います.それを前提にした画面構成であったり学習の流れであったりをイメージする必要があります.



  • PCモニタがあるとして,位置が分からない.PCとモデルとの視線誘導が曖昧
今回の中間プレゼンでは,紙モニタを学生が持ってデモンストレーションを行なっているのをたくさん見かけました.いくつかのグループで疑問に思ったので,実際はモデルの位置に対してどこにモニタが設置されるのかを聞いたのですが,明確な理由があってここですと答えてはもらえず,なんとなくここら辺みたいな返事が返ってきました.現時点ではモデルの存在感が大きく,モニタは学習の核を誘導するための補助的な位置づけのように扱われていますが,実際はActionScript3でインタラクションを構築したり説明の文面を表示したりと大きな役割を担っていますので,ユーザの視線誘導やモデルと相互に使いやすい位置関係を考えておいて欲しいと思います.



  • 説明する人によって差がかなりある
とても残念なことに,説明する人によってプロダクトへの印象がかなり変わっていました.もちろん熱心に説明してくれることによって,製作途上であるもののよりよく感じるといったプラス面もありますが(これも場合によっては問題点を見逃してしまっているかもしれないので,説明を受ける側は気を引き締めなくてはならないのですが…),ここでは主にマイナス面が目立っていました.自分の所属しているグループのコンテンツを適切に理解していないことによるものが多いと感じていますが,どうでしょうか.いつもちゃんと説明できている人ばかりが説明役に回って,説明することを敬遠している人がいないでしょうか.グループワークとはできる仲間がいることによってクリアするものではないです.グループのメンバーとしての当事者意識をきちんと持って取り組まなければそれはグループワークにならないということを忘れないで欲しいと思います.またこれとは別に,説明とは相手に伝えるという行為です.聞いている人に物理的に伝わっていない,意味的に誰にも伝わっていないような状態になっているとしたら,それは説明できていないということです.言葉を発すれば伝わるだろうというような認識は間違っているので,どうすれば伝わるのかということをもっと意識する必要があると考えるべきでしょう.

といったことを考えていました.皆さんの参考や糧になれば幸いです.



次回以降,中間プレゼンまでのプロトタイプや議論を基に実際の最終成果物に向けて製作に入ります.もちろん今まで以上に作っているものがテーマを学習するのに適切かを議論や検証しつつ進めてもらうのですが,それに加えて実際の設計をしていく中で強度やインタラクションの実装といった問題をどうクリアしていくのかも求められてきます.グループ内でチームを分けて進行していく必要なども出てくると思いますので,全体管理や個別のスケジューリングなど,個々の分担をより意識してグループ内での役割を果たしていってもらえればと思います.



最後に,中間プレゼンということで顔を出してアドバイスをしてくれたCDの3年生と4年生の先輩たちに感謝です!

2011年11月7日月曜日

CD応用演習2011#06 プロトタイプ製作とアクティングアウト

こんばんは,たろぐです.

今回は,前回に引き続きプロトタイプ製作を行いました.また,それに続いて後半はアクティングアウトを行いました.プロトタイプ製作については,前回書いたようにただ頭の中で考えるのではなくて,作っては壊しによって自分たちが作ろうとしているものを自分たちの中でより明確にしていくことが大事です.それと同時に,自分たちが作っているものがどのように使われるのか,ということを確認剃る必要があります.これもまた頭の中で考えているだけでは分からないことがたくさんありますので,それを実演することによって確認する.ユーザとして観察している人からのアドバイスをもらうということで本当に自分たちが考えているようなシナリオが実現できるのかを確認するのがアクティングアウトの目的です.



今回のを見るに,各グループでどういうものを作ろうとしているのかということは徐々にイメージができているように思いました.ただ,ここでもう一度自分たちで確認してもらいたいのは,それは「なにを学ぶためのもの」なのか,そしてそれは「どのようにして学ぶことができる」のか,ということです.今自分たちが作ろうとしているものがそれに照らし合わせて合致しているか,目的をどのように達成するためのものなのかを説明できるような整合性を持っているか,を常々考えながら意思決定をしていって欲しいと思います.



いつの間にかモノを作ることが目的になっていて,それの難易によってモノ自体の完成像が変わってしまう,結果として作っているモノがなんの為にあるのかが分からなくなってしまうことはよくある迷走です.もちろんなんでも作れるわけではないので,自分たちの技術的な制約はありますが,それによって代替案に差し替える時には,それが技術的に可能かどうかだけでなく,その代替案で自分たちの目的(ここではあるトピックを学ぶということ)が維持できているかについても十分に確認してもらいたいと思います.



授業では最後にC班さんのを実演してもらいました.もちろん改善すべき点は残されていると思いますが,ユーザである子供たちがツールを使うことで学習に参加するという状況を創り出しているということについて,どのグループよりも成功していると思います.一方でユーザが受け身になりがちなものになってしまっているところもありました.僕らが作ることのできるモノがどのような利点を持っているのかのひとつに,インタラクションというものがあると思います.それを十分に活かすためにはコンテンツがユーザを受け身にしてしまうものではないようにすべきだと思いますので,よく検討してみてくださいね.



ただいま2011/11/07(月)の午前4時半,あと10時間後には中間プレゼンとなりますw 今日は小学校の先生方や先輩,OBなども見てくださるでしょう.現時点での自分たちが作ろうとしているものの構想をきちんとお伝えして共有し,たくさん意見をいただいて改善のための指標にしていきましょう.



今回は写真が間に合わなかったので後日こっそり写真を追加します…ムネン