こんにちは,たろぐです.
今回も,前回前々回に引き続きコンテンツ制作です.来週がユーザビリティ評価で完成品を使っての評価をしますので,授業で制作を進められるのは実質今回までです.
これまた前回同様ですが,皆さんの作っているものが具体的になってきているこのタイミングで,僕たち教員側が集まって集中的に確認したグループがいくつかあります.肯定的にも否定的にも突っ込んだ意見が出せるのはこのタイミングだけなので,厳しい意見にも晒されるかと思いますが,受けて立ってもらえると参考になるかと思います.
これは聞かせてもらったグループに実際にアドバイスとして伝えたことですが,あやふやなアイデアや進行のまま伝えられると,僕らは敏感に反応します.それがいい反応の仕方ができると厳しく突っ込むとか分からないと明言して中断させるとか,学生側からするとストレスに感じるようなことかもしれませんが問題点として共通認識を持とうとします.が,"上手く"やられてしまう,あるいは非常に未完成な状態でやられてしまうと,場合によっては僕らはいい反応の仕方ができず,問題点を僕らの脳内で補完してしまい,非常に理想的なとても都合のいい状況で議論をすることになってしまう危険性があります.そうなるとその場はなんとなく抜けられても,必ずどこかで無理が生じ最悪破綻したりすることも考えられます.苦い意見は決して受け入れやすいものではないと思いますが,少なくともその意見が何について納得できていないのか,それを整理して検討するようにしてもらえると議論がより皆さんの助けになるのではないでしょうか.
いよいよ大詰めです.ここに来て急に寒くなったり乾燥したりしていてしんどいことも多いかと思いますが,なんとか乗り切って最終発表まで駆け抜けましょう.
2011年12月3日土曜日
2011年11月28日月曜日
CD応用演習2011#09 コンテンツ制作
こんにちは,たろぐです.
今回は前回に引き続きコンテンツ制作です.徐々に具体的になっていく成果物に,各個人がそれぞれ担う部分や目的意識もはっきりしてきているのではないでしょうか?もちろん一生懸命に制作を進めることが大事ですが,それと同じように,自分たちが作ろうとしている物,学びの流れ,伝えたいことが正しく設計されているのか,よりよい方法かを常に考えることもやめないで欲しいと思います.作っているものがより具体的になれば,疑問点やいいところもよりはっきりしてくるでしょう.僕ら教員側もより明確に指摘できるようになるので,疑問点を抱えたままなんとなくで進めてしまわずに,教員側に流れ全体を確認してもらうことも積極的に検討してみてくださいね.
今回はこれくらいで…
写真も貼り付けられなかったし…(アルバムには上げてあるんですが)
今回は前回に引き続きコンテンツ制作です.徐々に具体的になっていく成果物に,各個人がそれぞれ担う部分や目的意識もはっきりしてきているのではないでしょうか?もちろん一生懸命に制作を進めることが大事ですが,それと同じように,自分たちが作ろうとしている物,学びの流れ,伝えたいことが正しく設計されているのか,よりよい方法かを常に考えることもやめないで欲しいと思います.作っているものがより具体的になれば,疑問点やいいところもよりはっきりしてくるでしょう.僕ら教員側もより明確に指摘できるようになるので,疑問点を抱えたままなんとなくで進めてしまわずに,教員側に流れ全体を確認してもらうことも積極的に検討してみてくださいね.
今回はこれくらいで…
写真も貼り付けられなかったし…(アルバムには上げてあるんですが)
2011年11月21日月曜日
CD応用演習2011#08 コンテンツ制作
こんばんは,たろぐです.
今回から本制作に入りました.前回までのディスカッション,プロトタイピング,アクティングアウトとそれらのフィードバックを経て,今自分たちが作ろうとしているもののいい所と問題点が徐々に明らかになってきたのではないでしょうか.場合によっては企画全体を再整理して,より適切な企画を新規に検討するといったグループもあるかと思います.そういった判断に至った過程でそれまでのものが無駄になるということはなく,むしろより良いものを作り出すために必要なプロセスだと考えてもらえればと思います.
あえて包み隠さず書くと,今回の本制作からまともに動き出したように感じる学生もちらほらと見受けられました.ディスカッションよりも作業がお好きなのかもしれません.もちろん作業の中で自分とグループとの関わり方を模索したり実感したりすることはとても大事なことです.そういった意味では,目が覚めたように見えるそれらの学生にとってはようやく参加できるようになったというべきことで,喜ばしいことなのですが…ただ,個人的にはこの授業の本質は,作業そのものの中よりも過程全体の中にこそあると考えているので,より積極的な参加への取っ掛かりとしての作業は歓迎しつつも,それをきっかけに作っているものが自分たちの目的を達成するのに有効なものなのか,自分たちの目的は適切なのか,などといった原点を確認する姿勢やグループワークを如何に進めていくのかといった実践的な力を磨いてもらいたいと思います.
今後の気になるポイントをいっこ紹介しておきます.プロトタイピングやアクティングアウトまでの段階では,基本的にはモデル部分に目が行きがちになります(これ自体は悪いことではないです).おそらくモデル制作自体は順調なところではおおよそのイメージが固まっているのではないでしょうか.そうなるとあとは切って組んでといった作業がメインになるような工程を想像しているかと思います.もちろん強度や安全性などのチェックすべき点はこれから出てきますが,まぁおおよそその通りと考えてもいいかと思います.一方で,インタラクション部分,例えばモデルに組み込まれる仕掛けやGainerで実装するようなセンサー系の仕組み,あとはPC側で出力するFlashのActionScriptによる処理といったものは,まだ具体的な試行錯誤に入ってないものが多いのではないでしょうか.ここについても思ったように簡単にいかないことが多々あるので,このタイミングにグループ内でチームを分けてそれぞれがどう進めていくかを分担するのをお勧めします.もちろん全体での議論やそれぞれの進捗を確認・管理するリーダー的立ち回りをする人がいることも大事ですし,個々人が全体のことや最終成果物に対する認識を持って考えたり作ったりすることは必須です.それと同時に自分の得意分野や関心のある側に取り掛かり,実践的なスキルを磨いて欲しいと思います.教員側はあれもこれもと欲張りなのです.
では,次回(12時間後ですね…)も引き続き本制作です.最終発表までも1ヶ月切りましたが,その前に最終成果物によるユーザビリティ評価がすごく迫ってきています.みなさんの先輩たちは追い詰めると(折れない限りは)すごく成長して,僕ら教員側はその成長の様にいつも感動を覚えています.今年もみなさんの先輩たちに負けない成長を楽しみにしています.
今回から本制作に入りました.前回までのディスカッション,プロトタイピング,アクティングアウトとそれらのフィードバックを経て,今自分たちが作ろうとしているもののいい所と問題点が徐々に明らかになってきたのではないでしょうか.場合によっては企画全体を再整理して,より適切な企画を新規に検討するといったグループもあるかと思います.そういった判断に至った過程でそれまでのものが無駄になるということはなく,むしろより良いものを作り出すために必要なプロセスだと考えてもらえればと思います.
あえて包み隠さず書くと,今回の本制作からまともに動き出したように感じる学生もちらほらと見受けられました.ディスカッションよりも作業がお好きなのかもしれません.もちろん作業の中で自分とグループとの関わり方を模索したり実感したりすることはとても大事なことです.そういった意味では,目が覚めたように見えるそれらの学生にとってはようやく参加できるようになったというべきことで,喜ばしいことなのですが…ただ,個人的にはこの授業の本質は,作業そのものの中よりも過程全体の中にこそあると考えているので,より積極的な参加への取っ掛かりとしての作業は歓迎しつつも,それをきっかけに作っているものが自分たちの目的を達成するのに有効なものなのか,自分たちの目的は適切なのか,などといった原点を確認する姿勢やグループワークを如何に進めていくのかといった実践的な力を磨いてもらいたいと思います.
今後の気になるポイントをいっこ紹介しておきます.プロトタイピングやアクティングアウトまでの段階では,基本的にはモデル部分に目が行きがちになります(これ自体は悪いことではないです).おそらくモデル制作自体は順調なところではおおよそのイメージが固まっているのではないでしょうか.そうなるとあとは切って組んでといった作業がメインになるような工程を想像しているかと思います.もちろん強度や安全性などのチェックすべき点はこれから出てきますが,まぁおおよそその通りと考えてもいいかと思います.一方で,インタラクション部分,例えばモデルに組み込まれる仕掛けやGainerで実装するようなセンサー系の仕組み,あとはPC側で出力するFlashのActionScriptによる処理といったものは,まだ具体的な試行錯誤に入ってないものが多いのではないでしょうか.ここについても思ったように簡単にいかないことが多々あるので,このタイミングにグループ内でチームを分けてそれぞれがどう進めていくかを分担するのをお勧めします.もちろん全体での議論やそれぞれの進捗を確認・管理するリーダー的立ち回りをする人がいることも大事ですし,個々人が全体のことや最終成果物に対する認識を持って考えたり作ったりすることは必須です.それと同時に自分の得意分野や関心のある側に取り掛かり,実践的なスキルを磨いて欲しいと思います.教員側はあれもこれもと欲張りなのです.
では,次回(12時間後ですね…)も引き続き本制作です.最終発表までも1ヶ月切りましたが,その前に最終成果物によるユーザビリティ評価がすごく迫ってきています.みなさんの先輩たちは追い詰めると(折れない限りは)すごく成長して,僕ら教員側はその成長の様にいつも感動を覚えています.今年もみなさんの先輩たちに負けない成長を楽しみにしています.
2011年11月14日月曜日
CD応用演習2011#07 中間プレゼン
こんばんは,たろぐです.
今回は中間プレゼンテーションを行いました.基本的には前回のアクティングアウトと同様に実際のユーザを想定したデモンストレーションをしたのですが,前回のアクティングアウトを踏まえて,より本番をイメージしたものを用意してもらいました.また,ポスターを作成することで自分たちの作っているものの目的をより明確にし,それが手元にあるプロダクト(プロトタイプ)とちゃんとリンクしているのかを確認することもできたのではないでしょうか.さらに,小学校からも先生方がいらっしゃって現時点での皆さんのイメージしているもの,目標としている到達点を見ていただくことで,現場の先生方として気になる点についてのアドバイスもいただけました.
さて,今回はちょっと強めにアドバイスをしました.特に,前回までの授業での各議論やアドバイスを踏まえた上でクリアしておいて欲しい・クリアされてなくてはならない所がクリアできてないと判断したものについては,はっきりとお伝えしたかと思います.僕から「ここ意味が分からない」とか「ここ無意味だよね」とか「これ要らない」とか「なんでここはこうなってんの?」といった疑問を投げられた所はよく検討して欲しいと思います.少なくとも僕はそこについてそのままでは受け入れられない問題点を感じていますし,それについてはその場で何が受け入れられないのかをお伝えしています.
以下,いくつかのグループで気になった点を挙げていきます(なんかインデントが微妙になっちゃいましたが…).授業時には上記のほどはっきりと云わなかったのですが,これを読んでいて自分のグループに該当すると思った人は是非参考にしてみてください.
- テーマがはっきりしないまま始まって進んでいく
- PCが説明するのか人が説明するのかが曖昧なものがある
- PCモニタがあるとして,位置が分からない.PCとモデルとの視線誘導が曖昧
- 説明する人によって差がかなりある
といったことを考えていました.皆さんの参考や糧になれば幸いです.
次回以降,中間プレゼンまでのプロトタイプや議論を基に実際の最終成果物に向けて製作に入ります.もちろん今まで以上に作っているものがテーマを学習するのに適切かを議論や検証しつつ進めてもらうのですが,それに加えて実際の設計をしていく中で強度やインタラクションの実装といった問題をどうクリアしていくのかも求められてきます.グループ内でチームを分けて進行していく必要なども出てくると思いますので,全体管理や個別のスケジューリングなど,個々の分担をより意識してグループ内での役割を果たしていってもらえればと思います.
最後に,中間プレゼンということで顔を出してアドバイスをしてくれたCDの3年生と4年生の先輩たちに感謝です!
2011年11月7日月曜日
CD応用演習2011#06 プロトタイプ製作とアクティングアウト
こんばんは,たろぐです.
今回は,前回に引き続きプロトタイプ製作を行いました.また,それに続いて後半はアクティングアウトを行いました.プロトタイプ製作については,前回書いたようにただ頭の中で考えるのではなくて,作っては壊しによって自分たちが作ろうとしているものを自分たちの中でより明確にしていくことが大事です.それと同時に,自分たちが作っているものがどのように使われるのか,ということを確認剃る必要があります.これもまた頭の中で考えているだけでは分からないことがたくさんありますので,それを実演することによって確認する.ユーザとして観察している人からのアドバイスをもらうということで本当に自分たちが考えているようなシナリオが実現できるのかを確認するのがアクティングアウトの目的です.
今回のを見るに,各グループでどういうものを作ろうとしているのかということは徐々にイメージができているように思いました.ただ,ここでもう一度自分たちで確認してもらいたいのは,それは「なにを学ぶためのもの」なのか,そしてそれは「どのようにして学ぶことができる」のか,ということです.今自分たちが作ろうとしているものがそれに照らし合わせて合致しているか,目的をどのように達成するためのものなのかを説明できるような整合性を持っているか,を常々考えながら意思決定をしていって欲しいと思います.
いつの間にかモノを作ることが目的になっていて,それの難易によってモノ自体の完成像が変わってしまう,結果として作っているモノがなんの為にあるのかが分からなくなってしまうことはよくある迷走です.もちろんなんでも作れるわけではないので,自分たちの技術的な制約はありますが,それによって代替案に差し替える時には,それが技術的に可能かどうかだけでなく,その代替案で自分たちの目的(ここではあるトピックを学ぶということ)が維持できているかについても十分に確認してもらいたいと思います.
授業では最後にC班さんのを実演してもらいました.もちろん改善すべき点は残されていると思いますが,ユーザである子供たちがツールを使うことで学習に参加するという状況を創り出しているということについて,どのグループよりも成功していると思います.一方でユーザが受け身になりがちなものになってしまっているところもありました.僕らが作ることのできるモノがどのような利点を持っているのかのひとつに,インタラクションというものがあると思います.それを十分に活かすためにはコンテンツがユーザを受け身にしてしまうものではないようにすべきだと思いますので,よく検討してみてくださいね.
ただいま2011/11/07(月)の午前4時半,あと10時間後には中間プレゼンとなりますw 今日は小学校の先生方や先輩,OBなども見てくださるでしょう.現時点での自分たちが作ろうとしているものの構想をきちんとお伝えして共有し,たくさん意見をいただいて改善のための指標にしていきましょう.
今回は写真が間に合わなかったので後日こっそり写真を追加します…ムネン
今回は,前回に引き続きプロトタイプ製作を行いました.また,それに続いて後半はアクティングアウトを行いました.プロトタイプ製作については,前回書いたようにただ頭の中で考えるのではなくて,作っては壊しによって自分たちが作ろうとしているものを自分たちの中でより明確にしていくことが大事です.それと同時に,自分たちが作っているものがどのように使われるのか,ということを確認剃る必要があります.これもまた頭の中で考えているだけでは分からないことがたくさんありますので,それを実演することによって確認する.ユーザとして観察している人からのアドバイスをもらうということで本当に自分たちが考えているようなシナリオが実現できるのかを確認するのがアクティングアウトの目的です.
今回のを見るに,各グループでどういうものを作ろうとしているのかということは徐々にイメージができているように思いました.ただ,ここでもう一度自分たちで確認してもらいたいのは,それは「なにを学ぶためのもの」なのか,そしてそれは「どのようにして学ぶことができる」のか,ということです.今自分たちが作ろうとしているものがそれに照らし合わせて合致しているか,目的をどのように達成するためのものなのかを説明できるような整合性を持っているか,を常々考えながら意思決定をしていって欲しいと思います.
いつの間にかモノを作ることが目的になっていて,それの難易によってモノ自体の完成像が変わってしまう,結果として作っているモノがなんの為にあるのかが分からなくなってしまうことはよくある迷走です.もちろんなんでも作れるわけではないので,自分たちの技術的な制約はありますが,それによって代替案に差し替える時には,それが技術的に可能かどうかだけでなく,その代替案で自分たちの目的(ここではあるトピックを学ぶということ)が維持できているかについても十分に確認してもらいたいと思います.
授業では最後にC班さんのを実演してもらいました.もちろん改善すべき点は残されていると思いますが,ユーザである子供たちがツールを使うことで学習に参加するという状況を創り出しているということについて,どのグループよりも成功していると思います.一方でユーザが受け身になりがちなものになってしまっているところもありました.僕らが作ることのできるモノがどのような利点を持っているのかのひとつに,インタラクションというものがあると思います.それを十分に活かすためにはコンテンツがユーザを受け身にしてしまうものではないようにすべきだと思いますので,よく検討してみてくださいね.
ただいま2011/11/07(月)の午前4時半,あと10時間後には中間プレゼンとなりますw 今日は小学校の先生方や先輩,OBなども見てくださるでしょう.現時点での自分たちが作ろうとしているものの構想をきちんとお伝えして共有し,たくさん意見をいただいて改善のための指標にしていきましょう.
2011年10月30日日曜日
CD応用演習2011#05 グループディスカッションとプロトタイプ製作
こんにちは,たろぐです.
今回からディスカッションと並行してプロトタイプ製作に入りました.考えているだけでは分からないことや詰められないことというのはたくさんあるので,手を動かして作ったり壊したりしながら議論を深めていこうというのが目的です.
プロトタイプ製作は,
1.綺麗に作らない(でも丁寧に作る)
プロトタイプ製作は基本的に作っては壊しを前提としています.そこで知りたいのは,作ろうとしているプロダクトのざっくりとした大きさや見た目,使いやすさや挙動といったものです.なので,大きさがおかしかったら作り直し,形がおかしかったら作り直し,挙動がおかしかったら差し替え(作り直し).とにかく作り直すために作る,壊すために作る,みたいなプロセスを通るのがプロトタイプ製作を効率よくよりよい成果を上げるために必要なことですので,"壊しやすい"ものを作るのがいいのです.綺麗に作ろうとすると作るのに時間がかかりますよね.そして頑張って作ったものがちょっと変でも頑張って綺麗に作ったのでもったいないと思ってこれでいいかなとか妥協したくなりますよね.そう思ってしまうのは当然なのでそれを悪いとは云いませんが,プロトタイプ製作によって確認したいことができなくなってしまうのは本末転倒.だから,そもそも綺麗に作らないことでそういった感情に流されてしまうのを事前に回避しようというわけです.
でも,(でも丁寧に作る).前期のインタラクションデザイン基礎演習でも最初から「丁寧」ということを何度も求めてきたと思います(ixd*2011 |インタラクションデザイン基礎演習|第1回|空間思考と手のスキル).綺麗じゃなくてもいいですが,丁寧に作らないと確認したいことがなんとなくで終わってしまう可能性があります.最初の段階ではかなり抽象的なイメージから作っていくプロトタイプも,徐々に詰めていく段階では仕組みや挙動といった本製作に仕様を渡せるようにしておくべき箇所も出てきます.そういった所では確認すべきものの精度をきちんと確認できるように丁寧に作ることも必要です.もちろん全部が全部をとやっていたら時間がとてもかかりますので,丁寧に確認すべき箇所を自分たちで自覚してそこを丁寧に作るといった判断が大事になってくると思います.
2.ガワと仕組みを分けて考える
これは主にモデルに仕掛けを組み込むグループが対象なのですが,外観や大きさ,素材といったガワをどう作るのかという議論と,大きさに関わらず組み込む予定の仕掛けセンサーといった動的な仕組みをどう実現していくのかという議論を分けて考えた方がいいと思います.特に後者の仕掛けやセンサーについては早い段階で実験して試行錯誤できるような準備をしておき,それが期待した動きをしてくれるのを確認してからモデルに組み込む方法を考えないと,場合によっては仕組みそのものを差し替える必要が出てきて全体の構成を大きく変えることになりかねないので,少なくとも並行してプロトタイプを製作して欲しいと思います.
3.確認すべきポイントに沿って試作したものをよく観察する
上記のことを進めていくと,今自分たちが試作しているプロトタイプは目標としているプロダクトのどの部分を確認するために作っているのかが明らかにできると思います.そうしたらやることはひとつですね.そう,よく観察してイメージどおりにできそうか,ちゃんと動くか,といったことを確認してください.この段階で新たに必要だと思われることや逆に不要だと思われることはたくさん出てくると思います.そうしたらまたそれをどう判断するかを議論して,プロトタイプから読み取れる完成像のイメージをよりよいものにしていってもらえればと思います.
これは僕の担当の班の学生に云ったアドバイスですが,アイデアはたくさんあった方が絶対にいいです.もちろん,たくさんアイデアを出せば死にアイデアが山のように出ます.死にアイデアを出してしまうことに対する抵抗感はもちろん僕にもありますので分かりますが,死にアイデアを出さずにいいアイデアに辿り着くことは非常に困難,あるいは不可能です.死にアイデアなしの状態はアイデアの死体がないですが平地に立っているようなものです.ですが,山のような死にアイデアを出せば,アイデアの死体の山の上に立っているような状態ですよね.もちろん,そっちの方が平地よりも高い所に立っているってことです.しかも,その時は死にアイデアだと思っていたものがある瞬間に活きたアイデアになったりもします.それも結構頻繁に.
みなさんもどんどんアイデアを出して,その先にいいものを生み出す気概で議論をしていきましょう.
最後になりましたが,今回も先輩が来てくれてアドバイス等々してくださいました.多謝!
今回からディスカッションと並行してプロトタイプ製作に入りました.考えているだけでは分からないことや詰められないことというのはたくさんあるので,手を動かして作ったり壊したりしながら議論を深めていこうというのが目的です.
プロトタイプ製作は,
- 綺麗に作らない(でも丁寧に作る)
- ガワと仕組みを分けて考える
- 確認すべきポイントに沿って試作したものをよく観察する
1.綺麗に作らない(でも丁寧に作る)
プロトタイプ製作は基本的に作っては壊しを前提としています.そこで知りたいのは,作ろうとしているプロダクトのざっくりとした大きさや見た目,使いやすさや挙動といったものです.なので,大きさがおかしかったら作り直し,形がおかしかったら作り直し,挙動がおかしかったら差し替え(作り直し).とにかく作り直すために作る,壊すために作る,みたいなプロセスを通るのがプロトタイプ製作を効率よくよりよい成果を上げるために必要なことですので,"壊しやすい"ものを作るのがいいのです.綺麗に作ろうとすると作るのに時間がかかりますよね.そして頑張って作ったものがちょっと変でも頑張って綺麗に作ったのでもったいないと思ってこれでいいかなとか妥協したくなりますよね.そう思ってしまうのは当然なのでそれを悪いとは云いませんが,プロトタイプ製作によって確認したいことができなくなってしまうのは本末転倒.だから,そもそも綺麗に作らないことでそういった感情に流されてしまうのを事前に回避しようというわけです.
でも,(でも丁寧に作る).前期のインタラクションデザイン基礎演習でも最初から「丁寧」ということを何度も求めてきたと思います(ixd*2011 |インタラクションデザイン基礎演習|第1回|空間思考と手のスキル).綺麗じゃなくてもいいですが,丁寧に作らないと確認したいことがなんとなくで終わってしまう可能性があります.最初の段階ではかなり抽象的なイメージから作っていくプロトタイプも,徐々に詰めていく段階では仕組みや挙動といった本製作に仕様を渡せるようにしておくべき箇所も出てきます.そういった所では確認すべきものの精度をきちんと確認できるように丁寧に作ることも必要です.もちろん全部が全部をとやっていたら時間がとてもかかりますので,丁寧に確認すべき箇所を自分たちで自覚してそこを丁寧に作るといった判断が大事になってくると思います.
2.ガワと仕組みを分けて考える
これは主にモデルに仕掛けを組み込むグループが対象なのですが,外観や大きさ,素材といったガワをどう作るのかという議論と,大きさに関わらず組み込む予定の仕掛けセンサーといった動的な仕組みをどう実現していくのかという議論を分けて考えた方がいいと思います.特に後者の仕掛けやセンサーについては早い段階で実験して試行錯誤できるような準備をしておき,それが期待した動きをしてくれるのを確認してからモデルに組み込む方法を考えないと,場合によっては仕組みそのものを差し替える必要が出てきて全体の構成を大きく変えることになりかねないので,少なくとも並行してプロトタイプを製作して欲しいと思います.
3.確認すべきポイントに沿って試作したものをよく観察する
上記のことを進めていくと,今自分たちが試作しているプロトタイプは目標としているプロダクトのどの部分を確認するために作っているのかが明らかにできると思います.そうしたらやることはひとつですね.そう,よく観察してイメージどおりにできそうか,ちゃんと動くか,といったことを確認してください.この段階で新たに必要だと思われることや逆に不要だと思われることはたくさん出てくると思います.そうしたらまたそれをどう判断するかを議論して,プロトタイプから読み取れる完成像のイメージをよりよいものにしていってもらえればと思います.
これは僕の担当の班の学生に云ったアドバイスですが,アイデアはたくさんあった方が絶対にいいです.もちろん,たくさんアイデアを出せば死にアイデアが山のように出ます.死にアイデアを出してしまうことに対する抵抗感はもちろん僕にもありますので分かりますが,死にアイデアを出さずにいいアイデアに辿り着くことは非常に困難,あるいは不可能です.死にアイデアなしの状態はアイデアの死体がないですが平地に立っているようなものです.ですが,山のような死にアイデアを出せば,アイデアの死体の山の上に立っているような状態ですよね.もちろん,そっちの方が平地よりも高い所に立っているってことです.しかも,その時は死にアイデアだと思っていたものがある瞬間に活きたアイデアになったりもします.それも結構頻繁に.
みなさんもどんどんアイデアを出して,その先にいいものを生み出す気概で議論をしていきましょう.
最後になりましたが,今回も先輩が来てくれてアドバイス等々してくださいました.多謝!
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