2011年11月14日月曜日

CD応用演習2011#07 中間プレゼン


こんばんは,たろぐです.

今回は中間プレゼンテーションを行いました.基本的には前回のアクティングアウトと同様に実際のユーザを想定したデモンストレーションをしたのですが,前回のアクティングアウトを踏まえて,より本番をイメージしたものを用意してもらいました.また,ポスターを作成することで自分たちの作っているものの目的をより明確にし,それが手元にあるプロダクト(プロトタイプ)とちゃんとリンクしているのかを確認することもできたのではないでしょうか.さらに,小学校からも先生方がいらっしゃって現時点での皆さんのイメージしているもの,目標としている到達点を見ていただくことで,現場の先生方として気になる点についてのアドバイスもいただけました.



さて,今回はちょっと強めにアドバイスをしました.特に,前回までの授業での各議論やアドバイスを踏まえた上でクリアしておいて欲しい・クリアされてなくてはならない所がクリアできてないと判断したものについては,はっきりとお伝えしたかと思います.僕から「ここ意味が分からない」とか「ここ無意味だよね」とか「これ要らない」とか「なんでここはこうなってんの?」といった疑問を投げられた所はよく検討して欲しいと思います.少なくとも僕はそこについてそのままでは受け入れられない問題点を感じていますし,それについてはその場で何が受け入れられないのかをお伝えしています.



以下,いくつかのグループで気になった点を挙げていきます(なんかインデントが微妙になっちゃいましたが…).授業時には上記のほどはっきりと云わなかったのですが,これを読んでいて自分のグループに該当すると思った人は是非参考にしてみてください.

  • テーマがはっきりしないまま始まって進んでいく
テーマが設定されていないわけではないのですが,それが明示されていなかったり曖昧なまま何かが始まってしまっていると感じたものがありました.ユーザはとりあえず目の前の話に付いていくしかなく,結果として今何を学ぼうとしていたのかが分かるのが後手に回ってしまうという状況は改善すべき流れだと思います.小学校の先生のアドバイスの中にもテーマをはっきりするといいと思いますといったお話があったかと思いますが,それはテーマが分からない/分かりにくいのがあるというのをとても気を使ってご指摘していただいていると理解すべきでしょう.僕はいくつかの所でアドバイスしましたが,ユーザがそのプロダクトに取り組む時,最初の方でなにか「?」があるのだという状態をユーザに自覚させるような流れを作るべきだと思います.そのテーマについての疑問点がある状態を作り,それを目の前のプロダクトによって解決するという目的意識を明確にすることで,ユーザとプロダクトの関係や学習の流れをきちんと組めるのではないでしょうか.



  • PCが説明するのか人が説明するのかが曖昧なものがある
皆さんが小学生の子たちに手厚いコンテンツを提供してあげようという意識の表れなのだと思いますが,中間プレゼンのを見るにPCモニタに見立てた紙モニタにはキャラクタやイラストがあるだけで,言葉での説明が学生の口から全て出力されているのがいくつかありました.また,その紙モニタを学生が指さしていたりもしたので,そこは学生が口頭で説明する箇所なのかなと思っていたら,PC側で話が展開するつもりだという注釈をもらったこともありました.といった具合に,そこの切り分けが曖昧な状態のグループが結構あるかと思います.また,学生が口頭で説明するにしてもPC側で説明するにしても,音声だけでは聞き逃しをカバーできないので,文字情報を入れる必要があると思います.それを前提にした画面構成であったり学習の流れであったりをイメージする必要があります.



  • PCモニタがあるとして,位置が分からない.PCとモデルとの視線誘導が曖昧
今回の中間プレゼンでは,紙モニタを学生が持ってデモンストレーションを行なっているのをたくさん見かけました.いくつかのグループで疑問に思ったので,実際はモデルの位置に対してどこにモニタが設置されるのかを聞いたのですが,明確な理由があってここですと答えてはもらえず,なんとなくここら辺みたいな返事が返ってきました.現時点ではモデルの存在感が大きく,モニタは学習の核を誘導するための補助的な位置づけのように扱われていますが,実際はActionScript3でインタラクションを構築したり説明の文面を表示したりと大きな役割を担っていますので,ユーザの視線誘導やモデルと相互に使いやすい位置関係を考えておいて欲しいと思います.



  • 説明する人によって差がかなりある
とても残念なことに,説明する人によってプロダクトへの印象がかなり変わっていました.もちろん熱心に説明してくれることによって,製作途上であるもののよりよく感じるといったプラス面もありますが(これも場合によっては問題点を見逃してしまっているかもしれないので,説明を受ける側は気を引き締めなくてはならないのですが…),ここでは主にマイナス面が目立っていました.自分の所属しているグループのコンテンツを適切に理解していないことによるものが多いと感じていますが,どうでしょうか.いつもちゃんと説明できている人ばかりが説明役に回って,説明することを敬遠している人がいないでしょうか.グループワークとはできる仲間がいることによってクリアするものではないです.グループのメンバーとしての当事者意識をきちんと持って取り組まなければそれはグループワークにならないということを忘れないで欲しいと思います.またこれとは別に,説明とは相手に伝えるという行為です.聞いている人に物理的に伝わっていない,意味的に誰にも伝わっていないような状態になっているとしたら,それは説明できていないということです.言葉を発すれば伝わるだろうというような認識は間違っているので,どうすれば伝わるのかということをもっと意識する必要があると考えるべきでしょう.

といったことを考えていました.皆さんの参考や糧になれば幸いです.



次回以降,中間プレゼンまでのプロトタイプや議論を基に実際の最終成果物に向けて製作に入ります.もちろん今まで以上に作っているものがテーマを学習するのに適切かを議論や検証しつつ進めてもらうのですが,それに加えて実際の設計をしていく中で強度やインタラクションの実装といった問題をどうクリアしていくのかも求められてきます.グループ内でチームを分けて進行していく必要なども出てくると思いますので,全体管理や個別のスケジューリングなど,個々の分担をより意識してグループ内での役割を果たしていってもらえればと思います.



最後に,中間プレゼンということで顔を出してアドバイスをしてくれたCDの3年生と4年生の先輩たちに感謝です!

0 件のコメント:

コメントを投稿