2013年9月29日日曜日

CD応用演習2013#夏課題プロジェクト企画案レビュー

皆さんこんにちは,たろぐです.
夏課題プロジェクト企画案についての個別レビューを書きました.雑感的ではありますが,参考になればと思いますので,自分の企画案について読んでみてください.

005: 大学生をもっと大学にという問題意識はよくあるのだが,カードゲーム方式という流行りものに安直に乗っかりすぎている印象.利用の流れや期待される効果との因果関係をもっと掘り下げて考えたい.

012: パスワード:問題提起や目標となるビジョンはいいと思う.ただ,既に1Passwordという世界的に有名なアプリがあり,提案しようとしているベース部分を十分にカバーしているので,それとの比較やこっちの方がいいと主張できるところがあるかをまずはリサーチしたい.
         プログレスバー:着眼点が面白くていい.例えばWiiのプログレス表示はマリオが[?]ブロックを定期的に押すというアニメーションで,ストレスを感じにくかった.サービスやユーザの文脈ごとに具体的な実装案は変わるかもしれないが,共通点を探るように取り組んでみる価値は十分にあると思う.
         砂場:これも着眼点が面白くてよかった.指摘しているように,レゴが海外で幅広い年齢層に人気であり,しかもDIYの場でかなり積極的に使われていることを考えると,砂場遊びとの共通点が議論できそうだ.気をつけたいのは,砂場は砂ではなく「場」であるということ.ソフトかハードかという2元論ではなくて包括的なものとして見てみる必要性がある気がする.
         人の金銭的価値:一転して世知辛いテーマで,このテーマは僕の心が痛い(笑) 日々を切磋琢磨するためのきっかけとしてのコスト計算を見えるようにするというのは悪くないアイデアなので,対象とする範囲をどう切り分けるか(例えば両親からは与えられていて,結婚して子どもが生まれたら新しい家族には与える立場になるので単純一人の中で収支計算は閉じないと思う)などが提案のコンセプトと方向性にも反映されるはずなので,詰めていきたい.
         ボディライン:個人的には5つの中で一番面白いと感じた(あくまで個人的にです).均等や黄金比など,数学的な論拠から美しいと感じられるデザインは多くあるが,逆に美しいと感じたモデルから曲線を作り出すというのは試みとして面白いと思う.ただ,ゴールが魅力的なプロダクトといった客観的な価値なのに対して,スタートが主観的になりやすいので,統計的にデータを作るなどしないと,個人的な好みの1点もののようになってしまう恐れがあるので,注意したい.

022: not found

037: 状況に制限を付けることでゲーム性をもたせてモチベーションを高めるというアイデアはいいと思う.一方で,「あらゆること」「子供も大人も」という対象の広さはアイデアを具体的に詰めていく段階で難しくなってしまうので,ユーザや状況を限定した方がいい.

039: オンラインからオフラインへと誘導する流れは,提案の目的の点からいい主張だと思う.ただ,学内SNSや学内掲示板ですぐに実装できそうなので,何かそれをさらに促すような仕組みがあるといい.

054: ユーザと目的が明確になっているのはよかった.知育ツールは特に近年注目され活発に開発されているので,既存の事例から良い点や問題点をリサーチしておくといいと思う.ユーザを明確にしているので,この企画で子どもたちに「何を学ぶ」ものを作りたいのかが絞られてくると,機能や仕組みについてもはっきり言及できるようになると思う.

059: 現状,学生視点での学内ポータルが充実していないということはあるのだが,企画内容がWebスペースの提供ということなのであれば,サーバを設置してSNSを立てて終わりということになってしまうので,利用者がどのような利用の流れで情報を得たり交流できるようになるのかという仕組みの部分を提案して欲しい.

069: ネットワーク情報学部で取り組んでいた「かわさきワンセグ」の例でも見られたが,場を限定して共有するローカル方向への情報発信ツールはこれから盛り上がっていく段階にあると思うので,いい着眼点だと思う.提案している企画も対象を図書館での利用としているので,図書館利用をどのように補助・拡張していけるのかをこれからリサーチしていく中で具体的な機能や仕組みを検討していけると思う.一方で,企画書ではBeaconアプリの開発や図書館外への応用についても企画の中で言及されている.プロジェクトとして人を集める際には,大きな目標としての近距離通信技術の勉強の部分と,どこまでをプロジェクトの目標にしているのかという企画提案の部分が混ざってしまわないように整理して,誤解や混乱が無いようにしておくといいと思う.

071: ほとんどの映像作品には何かしらのテーマやコンセプトがあり,それを映像という形で表現しているので,まずはそれを具体的にすることが必要だと思う.アート作品としての映像の場合,ファインアートや実験映像といった類の作品もあるが,それらをいきなり作り上げることは極めて難しい.

072: こういう風に生活を豊かにしたいというコンセプトや画面のラフイメージなどが提示されていて,企画内容が想像しやすくてよかった.内容については,見た感じAmazonのオススメ機能を情報源を限定して取得するような印象だった.オススメ=口コミはかなり事例や研究例があると思うので,それらを確認してみるとアイデアが深まると思う.

081: 機能としては企業の部署ごとのタスク管理などで共有カレンダーとして既に導入されていると思うが,学生が利用している学内システムにそれに準じたものがないのであれば便利だと思う.ただ,企画書にあるように前日に確認連絡が来ても手遅れの場合が多いだろうし,このカレンダー機能を日常的に見て確認するような習慣がない場合も活用されない状態になってしまうだろう.タスク管理という点では,締切の日という1点だけではなく,途中の進捗も確認・管理できるようなものが必要だと思う.

096: Webサイトを作ったりメニューを毎回新しくするような手間を簡略化できる仕組みというコンセプトと個人経営のカフェというターゲット設定はいいと思う.読んだ印象としてはblog+RSS配信という感じだったのだが,実際にどのような仕組みで実現できそうかという現時点での目処が書いてあると企画書としてより具体的になると思う.

098: より本人(=学籍番号)に紐付いた授業評価ということで,教員の立場から見ると学生の声が今までよりも近く聞くことができるので,いい意味でも緊張感のある授業になるだろう.こういった企画の場合,不適切な悪評や楽単といった本来の趣旨から外れたものへの対応が課題となることが多いが,学生・教員が相互に見て立場を明らかにした上で対等に管理することができれば,学生にとって価値のある情報源になることも多いので,具体的に検討する意義はあると思う.実装については,シラバスのページを改装することはシステム直結で非常に大変なので,むしろ各シラバスのページを取得してこられるようなラッパーサイトに学生の評価を記載することができれば実現可能かと思う.

123: カレンダー・時間割・ToDoをまとめて管理できるアプリとのことだが,それぞれがどのような役割を果たしていて,どのように連携できると便利だと感じるか,あるいは既存のアプリではそれがどれくらいできていないのかをもっとはっきりさせたい.学生ならではという強みを目指すなら,学生にしかない時間割が機能の軸になるべきなのかもしれないが,それはカレンダーとToDoとどう違うのかを分析するのがいいと思う.また,時間割と期間を指定して自動的にカレンダーに挿入する機能については,GoogleカレンダーやOutlookに予定の繰り返し挿入という機能があるので,既に解決済みと思われる.機能を試してみて自分が実現したい機能との比較検証をしてみて欲しい.

125: 企画の主旨や目的が分かりやすく説明されていた.グループウェアは主に企業向けのサービスとして既にいくつも存在しているが,エンドユーザ向けでカレンダーをベースにしてイベントを設置するアプリとなると新しい試みになると思う.具体案にあるスケジュールのマッチングをシステム側でおこなうことでプライベートなカレンダーと独立したスケジュール管理ができるのはいいアイデアだと思った.アプリの提案ということで,主にスマートフォンでの利用を考えていると思うのだが,例えば写真や音声・チャットなどを見返すアルバム的な機能については,スマートフォンの画面サイズの制約など実装・デザイン面での課題が考えられる.そういったこれから挙がってくるであろう課題点について十分に議論を煮詰めていって欲しい.

144: メディア(この場合は写真)がデジタルになったことで失ってしまったところに注目していて,いい着眼点だと思う.現在はタッチインターフェースが十分に充実しているので,写真に付けるコメントをキーボードやマウスではなく手書きにでき,より思い出を喚起する情報を残せるなど,実現可能性が期待できることも多い.従来のアルバムがもっていた情報と今のデジタル写真の特性をよくリサーチしてそれぞれの利点を活かした提案をして欲しい.

153: 一見すると便利そうに見えるのだが,安易に便利さを求めてしまっている印象だった.現状でも授業名でハッシュタグ付きpostしている学生同士は同じように繋がっているし,講義の情報共有といっても情報の提供者と受領者の偏りは一般的には対等にはならない(休みが多い学生がちゃんと授業を受けている学生にぶら下がる)ことが多く,信頼関係が成立していない段階ではそこで交流が断絶することがよくある.また,これは伝え聞きだがTwitterのアカウントは大学や授業とは別のプライベートという位置付けの学生が多いとも聞く.そういったいくつかの状況を超えて学生同士がコミュニケーションや交友関係を作ること促してくれる仕組みが必要だと思う.

154: 高齢者向けの脳トレ系グッズということで,介護施設で利用できる製品という目標設定はいいと思う.認知症予防やボケ防止といったものは五感を駆使するような製品が多く,単純にひとつのPCやタブレットのコンテンツのようにはいかないが,今後の社会的な必要性も高い.おそらくリサーチしていく中で,五感やコミュニケーションといったキーワードが出てくると思うので,それらと情報技術のインタラクティブ性を繋ぐアイデアが出てくればいいものが提案できると思う.

157: 問題提起が分かりやすくていい.ネットワーク越しの相手に物を教えるというのは,現状決め手に欠けているので,どのような方法があるのかを十分にリサーチした上でアイデアが出ればいいと思う.まずは対面で教えている時の状況を整理・分析することも手がかりになればと思う.

161: 実際の大学の風景に撮影した映像をオーバーラップさせるというのは,普通のチラシや動画と違ってイベント性も高いし技術的にも目を引くのでいいアイデアだと思う.気になるのは,現行の端末の処理能力がそれに十分なものか,大きく分けてiOSとAndroidの両プラットフォームにアプリを提供するための技術的な面,実装できたとしてオープンキャンパスでどのように来客に楽しんでもらうかというイベントとしての計画部分などが挙げられる.うまく実現できれば大学のアピールも含めていい企画になると思うので,人を集める際にはより具体的な計画書を用意しているといいと思う.

167: 子ども向け英語教材絵本ということで,アイデアの新規性は高くないものの,ユーザははっきりしていていいと思う.子どもがよく読む絵本を電子書籍にすることで,子どもの興味を引きつつ音声やインタラクションで学習を促すのはいい方法だと思う.英語の学習方法自体は既に様々な研究や知見が積み上がっているので,それらをリサーチした上でどのようなコンテンツにするかを詰めていけば学習効果について十分に期待することができるだろう.

174: 食生活の改善や食育は最近注目され多く取り上げられているテーマではあるが,企画書を読んだ印象としては,ターゲットユーザや利用シーンを広げすぎていて,企画のイメージが掴みにくい.企画書なので,「様々な対象者」や「各々の目的の達成」といったフワッとした言葉ではなく,どのようなユーザ層についての問題提起をして,どのようにすれば解決できると考えているかを提示して欲しい.

181: CD業界というのが音楽業界なのかCD制作会社なのかCD流通販売の小売業者なのか,どこを指すのかをはっきりさせて欲しい.路上ライブをすることも挙げられているので,ライブ演奏を聴く・CDを買って聴く・CDを借りて聴く・iTunesから買って聴くなどを音楽消費の観点から比較することで,CDを買って音楽を聴くということがどういうことなのかを議論できると,問題提起についての足がかりになると思う.

189: 現在の位置情報系サービスはざっくりとした位置をGPSで取得して提供しているものがほぼ全てであり,建物内といったローカルエリアでのナビゲーションや高さを考慮した立体的な位置情報についてはほとんど成功事例・実装事例がない状況である.また,PCのようにログイン情報が容易に取得できるものではなく,企画案にあるような施錠を検出して利用状況を管理するためには設備自体の改装が必要といった,現実的な実装面でのハードルの高さはある.ただ,アイデアの根幹部分を見ると,例えば食堂やディスカッションスペースなどのオープンスペースについての利便性の向上なども可能性を感じるので,想定するユーザの状況を限定することで何か実現への足がかりがないかを調べてみる価値はあると思う.一方で,トイレを介したSNSやコミュニティという言及は付加価値ではなく蛇足になるリスクが大きい.本当に必要だと思うのかを熟考すべき.

192: 述べられている内容の正しさや是非はとりあえず置いておいても,目的意識と概要の整理・説明は企画書として分かりやすくいいと思う.最強や最高かは別の評価が必要になるだろうが,近年ではWiiやWiiU,Kinectといった身体の所作をゲームに応用する仕組みや,タンジブルユーザインターフェースに代表される情報を直接的に触るための研究,タブレット製品のようにエンドユーザが手軽に手にすることができるデバイスといった様々な環境が揃い始めている.これらを繋ぐことで新しいゲームのあり方を提案することができれば,魅力的なものができるのだろうと思う.

198: 中の学生として自分の所属学部を盛り上げようという発想はいいと思う.対象も限定されるのでコンテンツの方向性も絞り込むことがしやすく,これを通じて作る側も受け手側もネットワーク情報学部をより身近にすることが期待できる.ただ,毎年こういった企画案は出ているのだが,残念ながらなかなか実現できない.課題点としてはアイデアよりも運用と継続性にある.企画案としては,掲載する内容や記事作成といった制作と同じかそれ以上に運用する組織をどう作り上げるかを考えて欲しいと思う.身近な事例として,コウサ展実行委員会は多くの経験値と運用の課題を積み上げてきていると思う.歴代から責任者を引き継いでいる4年生や3年生に話を聞いてみるといいだろう.

202: なんでも誰でもというのは柔軟性が高いように見えて,実際は企画案としては説得力が弱い.「好き」を共有するというとレコメンドサービス系が頭に浮かんでくるが,どうレコメンドするかは連想情報が現状有効であると考えられている.知り合いからの口コミが期待値として高いのに対して,なんでも誰でもというレコメンドだと膨大な情報量の中に結局埋没してしまうということが懸念される.なので一般的には,なにかしらの軸や信頼性といったものを担保してくれる仕組みが必要になっている.一方で,iPhoneアプリ/サービスの「KIBUN」というものがある.ユーザは完全に匿名で,その時の気分を定型文から投稿して終わり,共有しているようなタイムラインはあるが,ソーシャル性もコミュニティも無く,基本的に投げっぱなしであり,タイムラインを見ることで感じるのは,今自分が投稿したのと同じタイミングでどこかの誰かが自分と違う感情を投げているのだなぁという,たくさんの人がいるから人それぞれだよねっていうことだけである.それくらい個人を無色透明にフラットに扱って「好き」な何かを投稿しあう仕組みというのがあれば,もしかしたらこの企画の趣旨に近いのかもしれない.

213: 特許や製品開発競争などの世知辛い部分を全て考慮しないで考えると,企画案はシンプルだが明確でいいと思う.印象としてはpixivのような画像投稿サイトでアイデアに関するものに限定したという感じだった.Googleドキュメントやお絵かきチャット系サービスのように複数人がひとつのデータを編集し合えるような仕組みは十分に実現可能なので,機能実現可能性はあるだろう.一方で,ここまでクリエイティビティを支援するようなサービスを提案するのだとしたら,「企業の目に留まれば商品かも夢ではない」というのはもったいない感じがする.例えば何かしらのクラウドファンディングサービスに繋げられるような連携があれば,自分のアイディアを最後まで育て上げたという達成感も大きく得られるのではないだろうか.

230: 技術志向の強い企画なのだが,コンテンツが映画なので,端末やアプリのどういった特性を活かした仕組みを作り,それが効果的な演出になるであろう映画のイメージというものが具体例として提示されていると,企画案として共有しやすくなると思う.

237: 今聞いている音楽の曲名やアーティスト名をTwitterに投稿できるクライアントはいくつか既に存在している.ただ,そういった投稿機能があるクライアントというだけで,そこから各ユーザや曲を聞いている人を検索したりする機能はないと思うので,それに絞り込んだ情報収集の支援機能があると音楽好きが繋がりやすくなるかもしれない.ただ,企画案では基本的にTwitterのクライアントがあるといきなり音楽好きと仲良くなれているが,そこが都合のよすぎる成果の印象なので,どういう流れで人の繋がりが広がっていって欲しいかをきちんと言及して欲しい.

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253: 数学の苦手意識を克服しようという問題提起と,苦手意識から及び腰にならないようにゲーム感をもたせることで興味を引きつけようというアイデアは企画として分かりやすい.ただ,例として提示されているものについて,うどんのレシピの各素材と四則演算子との因果関係が適切でなく,結果としてレシピの部分は意味を持たずに演算子だけを見て脊髄反射的に答えるという状況になってしまう.数学的な事実と正しく反映させられないとこのように単なるゲームで終わってしまうというリスクがあるので,設計には十分に注意が必要である.

257: ARについての紹介・展示をおこなうということで,技術研究系の企画だと思う.ただ,目標にしている展示については,簡単なものならサンプルからすぐに作ることができるし,ARとほかの仕掛けを連動するような仕組みを作ろうとしたら規模の大きなものにも挑戦できるはずだ.目標設定が簡単すぎるとARの驚きを広く知ってもらうことに繋がらないので,計画を立てる時には注意したい.実際に展示をおこなうにあたっては,ARのどのような特性を理解し活かすことでどのようなコンテンツを提案できるかが大事なので,そこを十分に検討できるようにしたい.

260: 世界遺産旅行を楽しむための情報サイトということで,食べログの旅行版のような印象だった.旅行についての色々な情報を載せるという企画内容をイメージすると,結局SNSを立てることでほとんど終わりのようになってしまいそうなので,ユーザが旅行を計画する時にどのような項目を重視するのか,どのような情報を知りたがるのかということをリサーチして,その結果どういう形で旅行を提案できるのかというところを具体的にする必要があると思う.

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